外資系企業で従業員持株会に加入し5年近く経過しています。最初は少額から始め無理のない範囲で徐々に増額していきました。色々調べるとデメリットの声も多いですが、条件が揃えばメリットの方が大きい場合があります。
従業員持株会の運用経験からメリット、デメリットについて紹介していければと思います。
Table of Contents
従業員持株会とは

※野村證券ホームページ
給与もしくは賞与から天引きし、自社株を1,000円単位で購入可能です。1,000円の少額から始めることが可能です。
従業員持株会メリット
奨励金が受け取れる
自社株購入の5~10%程度の奨励金が受けられます。そのまま投資費用に充てられますが、金融資産を拡大することが出来ます。
配当金を受け取れる
そのまま再投資となりますが、配当金を受領することができます。私の会社では奨励金+配当金で年10%といったところです。資産形成において、とても大きいリターンだと思います。
※外資特有:単元株制度の適応はない
日系企業の場合、100株単位での取引になりますので、売却時には100株単位でしか取引ができません。ただ、外資系の場合は、日経取引ではなく、海外取引になるので、単元株制度のことは考えなくてもよいことになります。
従業員持株会デメリット
配当金が強制的に再投資となる
配当金を生活費の足しにしようと思っても強制的に再投資となりますので、用途が制限されてしまいます。年10%程度の利回りはとても魅力的ですが、余剰資金での運用が望まれます。
タイムリーに売却、買付が出来ない
インサイダー取引の観点から売却や買付のタイミングが制限されています。そのため、計画的な運用が求められると共に売却したいときに売却できないので、余剰資金での運用が必須です。
議決権がない
議決権の行使が出来ないため、経営に不満があったとしても表明することが出来ません。ただ、自社なので、不満がある場合は社内のアプローチが可能になるので、そこまで考える必要はないです。
従業員持株会加入の考え方
従業員持株会に加入するのかの判断基準に、以下が必要になると考えます。
- 自社の成長性、安定性の確認
- 退職後も保有したいか確認
- 配当金は増配傾向で株主還元を大切にする会社か
- 余剰資金の確認
- 奨励金、配当金の確認
個別株の選定同様、自社の成長性、安定性の確認は必要です。また、自社に勤めていなかった場合でも株を保有していたいかどうかを考えると客観的に考えることができると思います。加えて、長期投資家として重要な視点は、増配傾向かどうかです。株式会社である以上、株主還元は必須で、積極的に還元する会社であれば長期投資家として嬉しい材料となります。
上記考慮した上で、余剰資金の確認、奨励金、配当金の確認に進んだ方がよいと考えます。自社の成長性、安定性に不安を持ったまま投資し続けることは精神安定上好ましくありません。
また、年10%程度のリターンはとても魅力ですが、ぐっとこらえ、自社が投資に値するかをまずは考えるべきです。10%のリターンがあっても10%のマイナス成長では意味がありませんからね。
まとめ
私の場合、以下の条件を満たすと判断しましたので、従業員持株会を継続しています。年10%程度のリターンは中々ないので、条件次第では有用と考えます。
- 自社の成長性について問題なしと考える
- 自社の安定性も問題なしと考える
- 増配傾向である
- 退職後も保有し配当金を受領したいと考えている